少年は残酷な弓を射る

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サイコパスかマザコンか😕

どうも。朝ごはん食べすぎて胃がムカムカ、ついでに天気もよくないから気分も上がんなーいmmmmです。

今回はそんな憂鬱な気分のときにぴったりな(?)、やつれたティルダ・スウィントンとイケてるサイコパスエズラ・ミラーの映画の紹介していきたいと思います。

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原題:We Need To Talk About Kevin
主演は、ティルダ・スウィントンジョン・C・ライリーエズラ・ミラー

自由奔放に生きてきた作家のエヴァは、キャリアの途中で子供を授かった。ケヴィンと名付けられたその息子は、なぜか幼い頃から母親のエヴァにだけ反抗を繰り返し、心を開こうとしない。やがてケヴィンは、美しく、賢い、完璧な息子へと成長する。しかしその裏で、母への反抗心は全く治まることがなかった。そして悪魔のような息子は、遂にエヴァの全てを破壊するような事件を起こす。
(prime videoより引用)

全てがうまくいっていたエヴァ(ティルダ・スウィントン)にとって、ケヴィン(エズラ・ミラー)が生まれたことは不幸な人生の幕開けだったのでしょうか。

エヴァが、自分のお腹が大きくなっていく事実に困惑する様子や、ケヴィンを産んだ後のこの世の終わりを悟ったかのような生気の抜けた顔、泣いてるケヴィンをあやす時の怒りを抑えているような作り笑顔。
このように、ところどころにでてくるエヴァのケヴィンに対する感情が、母親にあるあるの疲れからくるものなのか、望まない子を授かって疎ましい感情なのか?

乳児期は泣きまくり、言葉を理解してボールを投げたと思いきや、2度目は無視、エヴァの大切な地図を貼った部屋に水鉄砲でインクをぶち撒ける始末で、こんな年がら年中反抗期のケヴィン。

こんな2人の反りが合うわけもなく、ケヴィンがエヴァに反抗するごとに、エヴァのケヴィンに対する嫌悪感は増していきます。

しかし、ケヴィンの行動はエヴァに対する反抗かと思いきや、エヴァに対する執着なのかと思わされる部分も。

オムツを外すトレーニングの最中にpooをし、エヴァがオムツを変えますが、ケヴィンは変えた直後にまたpooをします。このわざとやっているかのようなケヴィンの行動にエヴァがキレて、ケヴィンをぶん投げ骨折させてしまいます。そのおかげでケヴィンのエヴァに対する反抗心が増すかと思いきや、病院に行って帰ってくると、ケヴィンはまっすぐ父フランクリンのもとへ行き、エヴァをかばう嘘をつくのです。

ケヴィンはツンデレなんでしょうか?

他にも、ケヴィンが体調を崩した夜、エヴァが読み聞かせをしているとケヴィンがエヴァに寄っかかってきたり、おもちゃの弓を買ってもらってフランクリンと練習していると、エヴァが他ごとをしています。それを見たケヴィンはこっちを見ろと言わんばかりにエヴァの真ん前の窓ガラスに弓を放ってくるのです。

このようなことから、ひょっとしてケヴィンは反抗しているのではなく、エヴァに愛してほしいだけなのかと思うような場面もあります。

時は流れ、ケヴィンが17歳になる年の頃、エヴァがケヴィンの妹セリアと出かけて歩いていると、本屋の前でエヴァのポスターを見ているケヴィンを見かけます。
“あら、あの子は私に関心がないと思っていたけど違うのかしら”と思ったエヴァは、ケヴィンに一緒に出かけようと誘い、パターゴルフに行った時のこと、エヴァはfatな人たちについて、なかなかきつい意見を述べます。それに対してケヴィンはときどきキツいねというと、あなたもでしょと返されたケヴィンはエヴァに似たのかもと言うんです。
本当にエヴァのことが嫌いなら自分がエヴァに似たかもなんて言わないですよね。

ついでにこのシーンでエヴァが述べるfatなpeopleに対する意見ですが、ダイエットしたい人には結構響くかもしれません。もう、fatをぶったぎりのメッチメッチとまではいかないですが、キツいこと言ってます。それがこちら💁‍♀️

Whenever I see fat people they’re
eating...don’t give me that slow metabolism crap. “It’s my glands”...It’s food. Their fat because they eat the wrong food...too much of it and all the time.

要は、

デブは体質のせいにしたりするけど、太るもの食べるから太るのよ
ってことです。

やっぱりケヴィンはエヴァに対して素直になれないだけなのねと思ったのも束の間、

その日のディナーでケヴィンはエヴァの話の腰を折るどころか、エヴァに喋らせないくらいにエヴァの話の先を読んでしまいます。
また、エヴァがケヴィンの部屋で勝手に持ち出したCDをパソコンに入れるとウイルスに感染し、パソコンが壊れてしまいます。これは自業自得なのですが、これらの場面はケヴィンのサイコパスさと賢さが滲み出ている場面だと思います。

こんなサイコパスなケヴィンが学校で殺人事件を起こしたおかげで、エヴァの生活はさらに壊れます。被害者の家族からビンタをくらったり、スーパーで卵を全部割られたりと散々な仕打ちを受けますが、ケヴィンが刑務所から帰ってきたときのためにケヴィンの服を綺麗に畳んで置いたり、部屋を作ったりする姿は子を思う母そのものです。

勘のいいケヴィンは小さい頃から自分がエヴァに望まれた子ではないことを気づいていたのでしょう。妹セリアが生まれるシーンで、慣れるのと好きなのは違うとエヴァに言っていることから、ケヴィンはエヴァが自分に慣れても好きじゃないことに気づいていると伝えていますね。
偏った愛がこの親子の溝を生んだのでしょうか。
さまざまな親子関係があると思いますが、子供がいる家庭の方には改めて子供との接し方について考えさせられる作品だと思いました。

最後に、エズラ・ミラーサイコパス的な表情の演技がとてもすごいのでそこも見どころです。

終わり